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勝つ野球と育てる野球

ここ最近、アメフトの悪質タックル問題がテレビやネットでもよく取り上げられている。

それに伴って、スポーツ指導についても議論されている。
中でもよく議題になっているのが野球である。
私も色々な方から質問を受ける事がある。

野球の指導者にも色々な考え方の人がいて、色々な指導法がある。

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私も学生野球を長く見てきて感じる事だが、勝つ野球と育てる野球があると感じる。
特に小・中学生の指導は勝つための野球が多く、それも指導者の無意識の中で向かっている方向の場合が多い。

勝ちにこだわる事が悪いわけでもなく、勝とうと頑張る事は素晴らしい。ただ、私はそれ以上に大切な事があると思う。

野球が好きな子供達がずっと続けていけるように、どんな選手にも差別なき指導をし、将来に期待をしてあげなくてはいけない。
勝つために試合の出場機会をなかなか与えられない選手や、試合が多いため、練習をして技術を上げていく環境が少なく、伸び悩む選手が多いのも事実。
チームメイトは好きだけど、出れない・教えてもらえない、だから野球が面白くない…という選手もたくさんいる。

逆に、試合にはたくさん出ているが、出れなくなる事を恐れて、肩や肘、腰や下半身に痛みがあっても我慢をしてプレーし続ける選手もいる。
小・中学生のうちから自分で自分の選手生命を縮めるような酷使はして欲しくない。

サインの見落としやサインミスで叱れる事を恐れ、バッターボックスでボールに集中できなくなっている選手もたくさんいる。
まだまだたくさんあるが、それらは全て指導者のやり方と考え方。そんな風潮が常識になりつつある小・中学生の野球界は良いとは思わない。

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やはり次世代の大事な子供達なので、一生懸命育てるべきだと思う。

練習の大事さや体に痛みがあれば休むという意識を教え、試合は勝ち負けより全員使って経験を積ませる、基本をコツコツ繰り返していくとみんな上達していく。
ミスをしても指導者が気にしない事。野球の技術は楽しく優しく教えてあげたい。

そして、大切なのは考え方の教育。勝つ事ばかりが優先していると、人の気持ちがわからなくなる。
人のプレーに文句を言う癖がついていると人の傷みがわからなくなる。
どんな選手でも、いつかは野球から卒業しなくてはいけない。その時に大切になるのは、野球が上手い事より、
優しい人間である事、努力できる人間である事、人を悪く言わない人間である事。まだまだあるが、そんな考え方のできる人間であって欲しい。

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勝つ野球ではなかなか目を向けられない部分だが、育てる野球には、技術やこうした心を育てる時間や目線もある。
選手一人一人の将来を大切に、野球を含めた子供達の人生の力になれるように、まず指導者である大人が考えなくてはいけない大事な事だと思う。

私は育てる野球しか考えていないが、選手達の変化や成長にいつも驚かされ、勉強させてもらっている。選手達に感謝したい。

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