私も含め、野球をやってきた人は、「基本を大事にしろ!」と一度は言われた事があると思う。
私も本当によく言われた。
その時は、毎日やっている練習や毎日毎日言われている事が基本だと思い込んでいた。
指導してくださった指導者のみなさんには感謝しかない。
ただ、指導者となった私は、今思うと、小さい頃から言われてきた「基本」をそのまま次世代の子供達に伝えていく事は違うと思う。
技術的な部分も、色々な考え方がある。
守備の基本はキャッチボール。それは間違いない。
キャッチボールが上手くできない限り、守備の上達はないと思う。バッティングにも繋がっているので、キャッチボールしだいで野球の上達も変わってくるという事。
昔は、相手の胸に投げろ!両手で捕れ!正面に入れ!とキャッチボールでよく言われた。
でも、全てそのパターンでなくなても良い。
実際のノックやゲームでアレンジが利かない野手でも伸び悩んでしまうので、あまり徹底事項にしない方が良いと思う。
そうしろ!と言い聞かせる前に、なぜそうしなくちゃいけないかを説明する必要もある。
キャッチボールはウォーミングアップではなく、全ての基本になる練習。
足の使い方、フットワークやハンドリング、プレーに大切な要素が満載だからこそ、大切にしなくてはいけない基本であると子供達には伝えたい。
昔から走れ走れと言われてきた。走り込みもなぜしなくてはいけないのか、やらされて走るのと大切さを理解して走るのとでは成果も全然違ってくる。
確かに走る事は基本であり大切だと思う。
でも、どんなプレーで大切になってくるかを説明しなくては、子供達は本当の意味で走る基本を大切にしないのではないか。
昔から言われてきた「基本」もアバウトは表現になっている。
高校野球から大学野球になり、金属バットから木製バットに変わり、私はすごく悩んだ。スイングの基本を見つめ直し、打撃に対し甘く見ていた自分を反省した。
その経験も子供達に伝えていく事で、バッティングの基本も大事にするようになる。
基本!基本!と言われてきた事も、どれが生かせて、どれは生かせないかを仕分けして、伝え方も日々勉強をして、子供達の技術向上のために指導者である私が努力する必要があると思っている。
高校野球で勝つためには技術だけではない部分を知り、考え方や取り組み方を大学野球で学んだ。
今思うとその考え方も全て基本になる。
高校からは、結果が全て。だから、基本!基本!とは言われなくなる。できて当たり前と思われる部分なんだと思う。科学的根拠に基づくトレーニングや練習法もたくさん出てきているが、基本動作ができなければ生かせないと思っている。
その世界に行く前に、小学生・中学生の間はしっかり私なりの「基本」を伝えて育てていこうと思う。
そして、あくまでも、野球が上手くなるためには、第一に試合ではなく、たくさん練習をする事だと思っている。
技術的な基本の話を綴ったが、また次回、私が大事にしている考え方の基本も伝えていきたいと思う。