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変わるべきは大人 (3)

野球界が考えていかなくてはいけない事、大人が変わるべき事をここまで綴ってきたが、今回最後に考えたいのが子供の野球にかかる親の負担について。

子供の野球離れなどがニュースになる時代だが、その要素の一つに親の大変さがあると思う。
お茶当番、父親の練習準備、遠征の帯同、土日の野球への拘束時間、進学面などを考え指導者にものを言えない服従の関係性、お金の面での負担など、私が子供の頃からこれらの常識のような決まりは変わっていない。

野球界では当たり前、子供が野球をやる以上仕方ない、そんな考え方ではいけないと私は思っている。

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父兄も平日は仕事をしている。家事、子育て、仕事、それだけでも日々大変な中で、土日祝日の野球への拘束は負担としては大きい。
監督・コーチの昼食やコーヒーなども父兄が一生懸命動き回っているが、それも必要ないと思う。
自分のものは自分で準備すれば良い。そういうところから、指導者は偉い、服従という見えない常識が生まれてしまう。指導者は別に偉いわけでもない。
逆に、父兄の負担が少しでも減るように日々努力すべきだと思う。

チームに入団する時に揃える物、シーズン中の遠征費や交通費、父兄も揃えなくてはいけない帽子やTシャツ・グランドコートまで果てしなくお金もかかってしまう。高校や大学でもすごくかかるので、余計な部分は省く必要がある。
運営をしていくにはお金もかかるし、送迎だけは協力してもらわなくてはいけない。
だからこそ、必要最低限に負担は抑える必要がある。
新型コロナの影響や家庭の事情により、人によっては経済的に厳しい状況の人もいるかもしれない。
兄弟の習い事などで、野球をやる息子だけに集中できない人だっている。父兄がずっとグランドにいる必要はない。

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当番など必要ない。自分の事は自分でやり、自分で必要なものは自分で用意すれば良い。
遠征も、絶対に必要であれば仕方ないが、親の負担を考えて計画しなくてはいけない。
土日の拘束時間も、両日丸一日は絶対にキツイ。選手と親の体と心のコンディションも大事にしなくてはいけない。

進学面を含め、野球界の仕組みやメリット・デメリットを伝えながら指導者と父兄は協力し合える良い関係性を保つ事が子供の成長のために良いと思う。

このように考えていくと、野球は負担が大きい。本当は野球をやりたいのに、こういったリスクや常識に縛られるのが嫌で別のスポーツを選ぶ人も多いと思う。

高校野球なども少しずつ考えを変えているが、小・中学生の野球はまだまだ変わってきているとは思わない。

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チームで決まっているルールに疑問を持つ事や口にする事すらなかなかできない。どこか洗脳のような状況になり、従わないと大変な事になるというような怖い話もよく聞く。
そんな縛られた世界だから、子供だけでなく父兄もストレスが溜まる。それが悪口陰口、妬み僻み、派閥などを生み出す原因の一つだと思う。
そして、様々な問題が起きる時は、指導者かチームスタッフ、父兄など大人が絡む事がほとんど…。

何のための野球、誰のための野球、大切な事は何か、もう一度落ち着いて考えなくてはいけない。

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勝ち負けよりも子供が上手くなる事、内面的にも成長する事、人間関係や拘束時間で憂鬱な週末を迎えない事、親子の楽しみと幸せが野球である事、まだまだあると思うが、それが大事ではないかと思う。

子供達が変える事はできない。指導者やスタッフである大人しか変えられない。変わるべきは間違いなく大人だと思う。指導者やスタッフの考えが変わらなければ、父兄の負担も変わらない。

そんな常識を当たり前にしたくないから、私は道場という組織を立ち上げた。野球界全体の流れを変える事はできないが、これからも言葉や行動で発信しながら、子供達にとって一番良い環境は何かを考えていきたいと思う。

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