本人しだい…という言葉をよく耳にする。
その言葉をよく口にする大人は多い。
私もこの言葉を使う時はあるが、便利な言葉であり、使い方を間違えると子供たちを苦しめる可能性があると思っている。
確かに本人しだいというのはその通りだと思う。
野球でもそうでなくても、自分で考え実行し、成功や失敗を繰り返しながら成長していく事は悪い事ではない。
ただ、最近は体罰・暴力などが問題視される時代になり、指導方法も厳しいスパルタ式から自主性や対話を重視するような時代になりつつある。
昔は、本人に気持ちやヤル気、考える力や自主性があってもなくても、とにかく言われた事をやれ!というやり方しかなかったが、今はそのやり方ができない分、本人しだいという言葉がよく出てくるようになったと感じる。
それも指導の変化だと思うが、本人しだいと言われても、どう取り組んだら良いか、どう考えたら良いか分からない子供たちが多い。
そこを教えず、自分で考えろという言葉を交えながら本人しだいというのはあまりにも子供たちには難しい。
本人しだいと子供たちに伝えるならば、どうやったら良くなっていくか、成長するために必要な事は何か、子供たちそれぞれの課題も伝えながら、少しずつ子供たちが理解していけるようなサポートをしてからでないと、なかなか使えない言葉だと思う。
大人が子供たちにどう向き合うか、やはりそこがポイントになる。厳しい対応ばかりしていても、なかなかモチベーションは上がらない。その中で、本人しだいと言われても、考える気持ちも行動力にも熱が入らない。
どうやったら目指すべき道へ近づけるか、自力で切り開くためにはどうしたらいいか、そこまで考えながらやれるように、ヒントや答えを導いて、何をしたらいいか分かるところまで子供たちの意識を持っていってからしか、本人しだいは使えないと思う。
やるべき事、やらなくてはなかなか成長できない事まで分かっていている状態で、やるかやらないかは本人しだいだと思う。
私は、本人しだいの言葉を使うのならば、その前に指導者しだい・私しだいだと思っている。
やるべき指導・観察、伝えるべきアドバイス、時代に合わせた意識改革もせずに、本人しだいという言葉は使うべきではないと感じるので、まずは私がやるべき事は何かを考え子供たちと向き合いたい。