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指導者としての覚悟

中学3年生達は卒団が近づいている。
高校へ入学してすぐに良いパフォーマンスができるように、今から仕上げに入る。

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それでも基礎→基本→応用の繰り返しである事に変わりはない。
基礎・基本を知らない選手や忘れてしまった選手は絶対に伸びない。それだけは選手達に言い続けたい。

 

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卒団が近づいている中学3年生の中に、急成長を遂げている選手がいる。
昨年・一昨年、彼は苦しんで苦しんで苦しみぬいた選手だ。
体が硬い、下半身が弱い、その弱点が打撃にも守備にも影響してしまった。
もし彼がチームにいたならば、勝たなくてはいけない、勝つための練習をしなくてはいけない、じっくり育てる時間がない…おそらく彼と向き合う時間は少なかっただろう。

 

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ただ、道場は勝敗などどうでもいい。練習でも試合でも失敗から学べ、長い時間をかけて向き合う事ができる…それが彼にとって良かったのだと思う。
毎日毎日、真っ暗になるまで練習をした。
2人居残りで根気比べのように基礎・基本を繰り返してきた。
昨年の後半ぐらいから、彼はグッと伸びてきた。今は、高校でも期待できる仕上がりだ。
辛抱強く私と向き合ってくれた彼に感謝している。
道場には色々な野球関係者が練習や試合を見に来る。彼の成長ぶりにみなさん驚いている。
人は変われる。そして、彼は苦しい思いをした分、技術だけでなく、心も成長できた。
無駄な時間は一つもなかったのだと思う。

 

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色々な方と話をして感じる事だが、小学生・中学生の段階で、野球の上手な子が凄い・偉い・スターのような扱いをする風潮がある。
指導者や大人がそうしてしまっているところがある。
指導者というのは、どんな選手にも向き合う覚悟があるかだと思う。最初から運動神経の良い選手や器用な選手はいる。その選手達を使って勝利至上主義を考えている指導者は指導者とは言えないと私は思う。
指導者は、子供達の未来を背負っている。
技術指導にもそれなりの責任がある。

 

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野球の楽しさを体感させ、苦しい練習の意味を理解させ、長い野球人生を送らせるための考え方を教え、野球だけが全てではなく、まず人として成長させる事が指導者の役目だと思う。
どんな選手でも、最後の最後まで諦めず向き合う覚悟があるかどうか。
選手に好き嫌いを持ったり、特定の選手だけに情熱を注ぐような指導者にはなりたくない。
残念ながら、そんな指導者は世の中にたくさんいる。

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愛情と時間をかけて、我慢と辛抱を指導者が持って子供達と向き合えば、きっと芽が出てくる。そこを楽しみに子供達を信じてあげたい。

毎日毎日試行錯誤は続くが、その子の人生を行けるとこまで一緒に背負う覚悟が私にはある。

好きな野球を子供達自らが諦める事のないように、温かく見守って、じっくり育ててあげたい。

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