今日は、ある選手の話です。
小学6年生で、元々少年野球チームでやっていた彼は、小学5年生の時に事情があり、チームを辞めてうちに専念しました。
チームにいた時は、試合にもあまり出る機会がなく、ポジションも色々な所をやっていました。
しかし、育てるために色々なポジションをやったのではなく、体調不良やケガなどで出れない選手のポジションに入るという感じでした。本人もうちに体験に来た時は「僕はチームの便利屋だから…」と言っていたぐらい自分でも自覚していました。
確かに、アウトを一つでも多く取れる選手、塁に出る確率の高い選手を試合で使いたい…というのは勝利至上主義の現代少年野球では仕方ない事かもしれません。
そうすると、彼のように、中々指導は受けられない、試合にも出れない、けど都合良く使われてしまう選手が出てきてしまいます。
彼は外野から内野、ピッチャーまでやりましたが、投げ方も教えてもらってない分、肘痛に悩まされ、うちに体験に来た頃は「腕がちぎれそうなぐらい痛かった」と言っていました。辛いから野球も辞める…と半分気持ちを固めていた中で、うちに体験に来てくれました。
確かに、投げ方、打ち方も良くないし、野球に絶対必要なトレーニングもしていないので、故障も繰り返しますし、色々なポジションをやってもうまくいくわけがないです。何度も彼とコミュニケーションを取りながら、意識改革をし、本当に野球で大切な事は何か、自分の能力を信じてもらい、最後まであきらめない心を植え付けていきました。
彼がうちに専念して、月日が経ちましたが、今ではスタミナもうちでトップクラスで、グングン技術も伸びてきて、野球で人生を切り開く覚悟を持ち、コツコツ頑張っています。
私も、彼が立ち直って一生懸命頑張ってくれている事を嬉しく思い、感謝しています。
2月から、シーズンが近づき競争がスタートします。うちには、レベルを高めあえる素晴らしいライバルがたくさんいますので、また彼も頑張ってくれると思います。
素振りの課題もみんなに出していますが、ただ回数多く振れば良いわけではなく、日頃から指導を受けてるように振っているので、身につくのも早いと思います。
チームにいた頃は、悔しくて辛い時もありましたが、日頃の姿勢や彼の机に貼ってある紙を見れば、最後は間違いなく彼が勝つと思います。