前回のブログで体罰などについて話をしたが、今回は小学生・中学生の試合と練習の考え方について書きたいと思う。
私が道場を立ち上げる前、指導者になるために長い間色々なところで指導の勉強をしてきた。
技術的な事、内面的な事、育成方法、他にもたくさん学んできた事はあるが、その中で一番疑問に感じたのは小学生・中学生の試合数の多さだ。
私が中学時代やっていた硬式のクラブチームの時よりも、今は公式戦と練習試合を含めて3倍の試合数になっている。
試合自体は否定しないし、必要だと思っている。
ただ、小学生・中学生が大事にしなくちゃいけない事は試合よりまず練習だと思う。
試合になると勝ちたい気持ちが優先するのは当然。そうすると選手起用に偏りが出たり、選手の酷使につながる。
選手は出れなくなる事・叱られる事を恐れ、肩や肘、腰や膝など痛みがあっても我慢して出ようとする。
指導者も病み上がりの選手に対し「痛みがなければ出ろ!」中心選手ならば「少々痛くても頑張ってくれ!」と言ったような話をする人がいる。
小学生・中学生の段階で、そこまでしてやる試合は必要ないと思う。
指導者の思うような動きや結果が出ないと叱りつけたり、時に体罰もある。
勝つ事が大事なのはわからないでもないが、育てる事やみんなに経験させる事が大事。
得点力の低下、エラーや失点を恐れて使わない選手が出てくるのは小学生・中学生の試合では良い采配だと思わない。
練習試合でも出場機会が少なかったり、ダブルヘッダー第1試合では出場機会がない上級生など、
実力不足で片付けてはいけない年代なのに、早くもそこに差が出てきている。
試合で学ぶ事もあるが、やはり練習を大切にするべきだと思う。
高校や大学、プロ野球の指導者、選手の体をチェックする人たちからも、やはり小さい頃からの試合数と練習不足に対して問題視している。
今は試合が当たり前という考え、試合の時はモチベーションが上がるが、たまにある練習の日はつまらない。
それでは練習の大事さはなかなか子供達には伝わらない。
練習を楽しく積み上げる事で、基礎・基本を学び、考え方や野球界の生き方・仕組みもコツコツアドバイスしていく事ができる。
試合結果や個人成績が全てにならず、野球を楽しむ事・好きな野球をずっと好きでいられるようにサポートする事、ケガをしない体づくり、
ケガをした場合の向き合い方も練習の場でゆっくり教えてあげたい。
まだまだ小学生・中学生の間は体にも個人差はある。早熟・遅咲き色々差はある。
確かに生まれ持っての才能やセンス、素晴らしい運動神経の持ち主はいるが、小さい頃からそういう選手だけが活躍する世界ではいけない。
器用な選手・不器用な選手問わず、1からコツコツ育てる事が大事。
練習の大切さを教え、野球の楽しさを教え、勝利至上主義から離れ、たまにやる試合がすごく楽しみなものになるように、意識から変えてあげたい。
高校からは試合が当たり前の世界に嫌でもなってしまう。小学生・中学生のうちから焦って試合を多くする必要はない。
高校野球のスケジュールを乗り切る体力、高校野球に最初からついていけるスピード、
レギュラー争いに勝つための基礎・基本、それは高校生までに練習でやっておけば十分間に合う。
高校に行ってから気づいてももう遅い。
長い野球人生を歩むために、小さい頃はたくさんの練習、たまに試合にすべきだと私は思う。
まだまだ様々な問題はあるが、次回のブログで親の負担や野球を離れてからの選手達の問題について書きたいと思う。