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親父…

8月3日午前10時30分、父が息を引き取った…。

親父なんて呼んだ事はないが、一度呼んでみたかったから、このブログを綴る時だけは父を親父と呼ぼうと思う。

親父との思い出は、野球でずっと叱られた事、野球で厳しく育てられた事以外はあまり思い出せない。

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プロ野球選手だった親父だが、幼かった私は、親父の現役時代を知らない。
「変な癖がつくから、まだ野球をやらなくていい」と小学生の間は野球をやらなかった。サッカーに明け暮れる日々だった。
小学校時代、サッカーにのめり込み、サッカーに打ち込んでいた私が、中学生になると同時に野球の道へと進んだ。でも、本当の事を言うなら強制的に進まされた。
そこからの人生は、怖く厳しい親父しか見ていない。

野球を辞めたくて、野球から逃げたくて、毎日毎日一人になると泣いていた。

今の時代では考えられないが、中学・高校生の頃、どんな大怪我をしても、休んで親父から叱られるのが怖くて、意地でも我慢して野球をしていた。
それぐらい親父を恐れていた。

前向きかどうかは別にして、練習量だけで言ったら、人には負けない自信がある。まさに地獄の日々だった。

私が大人になっても親父の印象や親父への感情がなかなか心から抜けず、話したくない気持ちや何か避けてきた部分はある。

大学を卒業し、野球から離れてからも、なんだか目を見て話す事ができなかった。
普通は、子供の時は厳しくても、大人になったら仲良く食事をしたり、お酒を飲んだりする親子も多いと思う。
でも、私はそれができなかった…。野球の話もしたくなかった…。

それから月日が経った今、あれだけ好きではなかった野球界に戻っている私…。
毎日必死に子供達と向き合っている。
私が子供の頃と指導方法は違うが、あの頃、親父が私に一生懸命教えてくれていた時のように、今は私が子供達に一生懸命になっている。
何でだろう…自分でも分からない。

大病をした影響は大きいが、年齢的にも体力的にも、少しずつ体が弱くなっていった親父。
私の中では、いつまでも体が大きくて厳しくて怖い親父のイメージしかなかったが、だんだん衰えてくる親父を見ると、何やってんだよ!しっかりしろよ!と心で思っていた。

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ここ数年の猛暑、体調不良、新型コロナの影響で、道場の指導からも離れていたが、家ではいつも野球の話、道場の話、子供達の話ばかり。
本当に野球に捧げた人生だと思う。

もう野球は嫌だ…
プロ野球選手の息子に生まれたからこんなに辛い人生になった…
大人になって野球以外の道へ進めば、親父と話さなくて済む…

そんな事を若い頃思っていた私なのに…
親父がいなくなったら急に寂しい…

いっぱい話がしたい、一緒にお酒を飲みたい、何より親父とキャッチボールがしたい…
大嫌いだと思っていた野球、でも今は大好き。

私は、今まで一度も耳にする事はなかったが、親父は、知人・友人に息子は良い選手だった、よく努力してた、指導者としては俺より上、あいつのやっている指導は俺にはできない…そう話していたようだ。

何でそんな話を一度でいいから私に言ってくれなかったのか…
そうしたらもっともっと仲良くできたのに…

でも、最後まで厳しかった親父。
急にそんな事言われたら、逆に気持ち悪いかも…

私の前では、高い壁、厳しい存在で良いと今は思う。

子供の頃は、なぜ私にあんなに厳しかったのか全く分からなかったが、今は分かる。一度も褒められぬままのお別れになるが、まだ褒められる事はしていない私。まだまだ修行が足りないと言う事だ。
いつか褒めてもらえるように、これからの人生、しっかり生きていこうと思う。

そして、父が人生を捧げてきた野球を大事にして、必死に子供達を育てていきたい。

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会話が少なかった親父と私。
私が生まれてから44年、最後の会話は、親父が入院するため病院に向かう時だった。
私は「じゃあね」と声をかけ、親父からは「ごめんな」と返ってきた。その「ごめんな」には色々な意味があったんだと思うが、私の中に入っていた親父に対してのネガティブな感情が全てなくなり、壁もなくなった気がする。

やっぱり私は、野球が大好き、親父が大好き、親父の息子に生まれて本当に良かった。

親父、ありがとう。

「何十年後、私も親父のところに行った時はちょっと褒めてね。
それまで一生懸命頑張るから。
またね…。」

親父が亡くなった日、私はそう伝えた。

さあ!気持ちを切り替えて、親父の分までさらに頑張るよ!
優しく楽しく厳しく、大事な大事な道場の子供達と向き合いながら野球をしていきたいと思う。

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