私は二つの目標を今も追い求めている。
それは「技術の向上」と「人間形成」だ。
どちらか一方ではなく、二つ同時進行させながら成長させたい。
その両方を合わせて、私は「育成」だと思っている。
技術の向上と言っても、長い目で見守ってあげなくてはいけない。すぐには結果が出ない。
体の大きさがみんな違うように、運動神経や能力、成長スピードもみんな違う。
性格も違う、考えも違う、だからこそ、私は一人一人への向き合い方も違う。
そもそも、技術的な事で子供達に求めるものはほとんどない。
大事な事は、子供達が何を求めているかを考える事だと思う。
子供達の期待に応える努力をすれば、子供達も頑張ってくれるもの…そう信じている。
だから、私は自分のできる限界までチャレンジして、子供達を引っ張っていきたい。
それは果てしない時間の積み重ねかもしれないが、私が一番グランドで動き回って、子供達を観察しながら技術の向上をゆっくりゆっくり進めてあげたい。
ただ、技術の向上ばかりを求めて人を見るのは好きではない。
器用か不器用か、指導した事がサッとできる人もいればコツコツ時間をかけてマスターしていく人もいる。
技術だけで子供達を見ると、格差や差別が生まれたり、指導に恵まれる選手 恵まれない選手が出てくる。
うまい人が偉いわけでもない、不器用な人が下を向く世界でもない。
でも、子供の野球界にはそんな風潮がある。
私は良くないと思うからこそ、人間形成も技術と同じぐらい大事にしている。
*人を助ける人間になって欲しい
*人に優しい人間になって欲しい
*困っている人 悩んでいる人がいたら手を差し伸べる人間になって欲しい
*人から必要とされる人間になって欲しい
*人のために頑張れる人間になって欲しい
まだまだあるが、理想論やキレイ事と思われても、私はこれにこだわって子供達を育てたい。
表向きには同じような事を言う組織はあるが、勝ち負けが最優先になる分、実際にはなかなか人間形成が難しくなっている。
「技術の向上」と「人間形成」
私は、この二つの目標を追い求めている。
だから道場を立ち上げた。
自分のこだわりや信念を曲げたくないから。
高校に行くまでに絶対必要な人間形成。
長い野球人生を歩むために必要な技術の向上。
必ずその二つの目標を達成して、野球と人間性、両方で信頼される人間になって欲しいと思う。