最近、子供の野球事情についてのネット記事をよく目にする。
勝ち負けよりも楽しさ…野球離れを防ぐ…親の負担軽減…色々書かれている事は多い。
でも、実際形にしているところは少ないと思う。歴史と伝統を変えるのは簡単ではない。
良い歴史や伝統なら大事にしたら良いと思うが、悪い歴史や伝統もなかなか変わらない。
野球界には二つの野球が存在している。
勝つ野球と育てる野球、両立できそうでなかなかできない現実がある。
人それぞれ正解不正解はないと思うが、長い野球の歴史には正しくない常識が多い。
野球の楽しさを知ってもらうために、プロ野球選手などが野球教室をやったり、クラブチームが体験会などをやるが、そこで野球を楽しいと感じた親子がいざ野球を始めようとすると、いきなり勝ち負けの世界になり指導に恵まれなかったり、親の負担も大きくなる。その流れが一番難しい現状かもしれない。
最近では昭和の野球、昭和の考え方と耳にする時もあるが、今でも「昭和」はしっかりと伝統になってしまっている。
監督やコーチは偉い人、野球の上手い子が偉い・すごいという風潮、罵声や暴言、気合いと根性、楽しむ事より耐える事…今でも当たり前のような子供の野球。やはり、入りにくい世界だ。
親同士の関係性も難しかったり、お茶当番などのルールにより、土日野球にかかる負担も大きい。
それが良いという人もいる、それが当たり前だという人もいる。ただ、私は必要だとは思わない。
自分もそんな世界で生きてきた野球界だが、勝利至上主義、子供には厳しく、親の負担、当たり前と思われている歪んだ常識、全てから離れたところで大事に育てたいと思ったので12年前に道場を立ち上げた。
今でも目指している世界に到達はしてないが、どこにもない野球の形を目指して、日々子供達と向き合っている。