十人十色だが、野球の技術的な部分で子供たち一人一人に必ず何か良いところはある。
指導者がそこを見抜き、その長所となる部分を伸ばしていけば、高校や大学、その先の世界で生き抜いていける可能性は充分考えられる。
ただ、ほとんどの子は長所を見つけてもらえず、自分の良いところを伸ばす事ができず、大人に言われるがまま、とにかく必死にやっている。
伸びてくるどころか、肩や肘のケガとの戦いになっている子も多い。
小・中学生で肩や肘を痛めた場合、改善に向けてしっかり取り組んでいかなければ、先々の再発率は非常に高い。
子供の苦しみや我慢を目の当たりにしても、考え方や取り組みを変えない指導者や親がいたら、それは大人の自己満足やエゴと言える部分もある気がする。
指導者から見たら数いる選手の中の一人かもしれないが、子供たち一人一人の野球を含めた人生がかかっている。内面的な部分も必ずリンクしてくる。
どんな子でも、必ず良いところはある。
そこをどう伸ばしていくかが大切。
欠点に見えてしまう事でも、色々な見方を変えて向き合えば、欠点でない事もたくさんある。
口を出したがる大人、〇〇するべきと言う「べき論」を持ち出す大人、教えたがりの大人、そのほとんどが子供の成長のプラス材料にはならない事が多い。
今の野球界は子供たちにとって良い環境とは思えない現実もある。
グランドでは格差も生まれ、差別もあり、切り捨てる風潮もまだまだある。
その中で我慢我慢の日々を送る親子もいる。
普通に考えたらおかしい。
でも、そこから抜け出せない、そこに依存せざるを得ないような一種の洗脳のような状況もある。
スポーツの世界で平等というのはなかなか求められないが、唯一平等にあるのは時間だと思う。
子供たちの野球人生に関わる時間をどう使うか、そこはとても重要になる。
野球を好きになる事は簡単かもしれないが、子供が野球を好きでい続ける事はとても難しい野球界になっている。