私自身、人に自慢できる野球人生は何一つなかった。
「プロ野球選手の息子とは思えない…」と野球を始めた頃からよく言われていた。
そんな事を言われるのは嫌だった。
そして、そんな事を言われてまでも野球をやっていた自分の事もすごく嫌だった。
練習しても練習してもうまくいかない。
自分では精一杯やっていたつもりだったが『ヤル気がないなら辞めろ!」とよく叱られた。
結局ケガとの戦い、不器用な自分との戦い、失敗に失敗を重ねてしまった自分の野球人生は、成功する事なく終わってしまった。
それが自分の実力。
自分で自分の野球人生が良かったとは全く思わない。
我慢と辛抱、失敗と諦め…そんな言葉がピッタリはまってしまう。
野球から離れ、社会に出て、社会の仕組み・人材育成・組織作り…
色々な経験を積み、指導者の勉強を積み、野球界に戻って道場を立ち上げた。
そして今思う事。失敗しても、また一生懸命練習する選手達がかわいい、
うまくいかず落ち込んでしまう選手達の気持ちも痛いほどよくわかる、
考え方を共有できる父兄の皆さんと出会えてうれしい、私は初めて野球が好きになれた。
そして、好きではなかった自分の人生も、少し好きになってきた。
失敗ばかりの野球人生も悪くはなかった…
そう思えるのも、全て道場の選手達や協力してくださる皆さんのおかげ。
心から感謝しています。
だからこそ、選手達にできる事は何でもやってあげたい、
世界で一番尽くしてあげたいと思える。
今が苦しくても、どこまでも付き合う覚悟が私にはある。
私のような野球人生を送らないために、私が選手達に何ができるのか…しっかりと考えている。
だから私を信じてみんなついてきて欲しいと思う。