野球界は体質が古い。
新しい組織や取り組みを拒み、古き良きだけでなく、悪しき伝統のような風潮や考えがまだまだ色濃く残っている。
小中学生が野球をやる場所は、硬式・軟式のクラブチームか部活動しかない。
部活動も時代とともに活動の形が変わり、クラブチームも土日が中心で、平日1.2回練習をするところもあるが、基本的には週末となる。
平日の時間を埋めていくために野球スクールや教室などもあるが、うちのような平日から土日まで高校野球に近い形でやっているところはまずない。
この組織を立ち上げた時には色々な事を言われた。
批判や周囲からの心配の方が多く、応援する人の方が圧倒的に少なかった。
野球界はそんなに甘くない、人なんて集まらない、何かの連盟に入ってクラブチームにした方が無難…こう言う言葉はどれだけ聞いたか分からない。
大会に出なくて目標がない、所詮遊びの野球だから上手くならない、あそこにいたって野球で高校には行けない…そう言われ続けて「悔しい」と思った事は何回もあった。
最初の頃は、うちを偏見の目で見たり誤解してる人たちに分かって欲しくて、色々考え方やうちの説明を一生懸命していた。
新しい団体、新しい組織を業界で認知してもらう事が大事だと思い込んでいた。
ただ、どれだけ分かって欲しくても、そこにどれだけ情熱を注いでも、野球界全ての人には伝わらない、偏見や古い体質を覆していく事が正しいとは思わなくなってきた。
一度立ち止まり、自分自身と向き合って一つの答えに辿り着いた。
本当に大切にすべきものは何か…。
広い野球界に認知される事なんてどうでもいい。
分かる人には分かる。
分からない人にはどれだけ説明しても分からない。
うちの現場を見てない人に何を言われても勉強になる事はない。
今までにない取り組み、前例にない事をやっているので、分かる人が少なくて当然。
同じような考えや世の中に向けてチャレンジした人でなければ私の考えは分からない。
だから、うちを見てないのに色々言う人や業界の悪しき考え方の人に分かってもらおうとする事より、自分がそう言う人間にならない事の方が大事と気づいた。
10人中10人に分かって欲しくて必死になるより、10人に1人でも私の考えを理解してくれる人を大切にすべき。
組織が大きくなったり、うちからも進学しOBが活躍したりすると、手のひらを返すように近寄ってくる人、批判してたと思ったら急に褒めてくる人、そんな人はたくさんいる。
気持ちの良いものではないが、しっかりと人を見て、最初から応援してくれる人を大事にしたい。
全ての人に分かってもらう必要は全くない。
こうじゃなきゃいけない・こうすべきという野球界にある風潮や同調圧力に流される事なく、自分にしかできないやり方で、自分の持つ信念や考えがぶれる事なく、子供たちを大切に育てていきたい。
私が楽をしたり、考えが停滞してはダメ。
私も子供たちも努力できる場所が名古屋O&Kだと思う。