息子がこちらに入ったきっかけは、夫婦共働きで仕事が多忙なうえ、下の子の面倒を見ながら週末に息子をクラブチームに通わすことが困難になったからでした。
名古屋O&Kのことは、息子がクラブチームに入る前、息子をどこのチームに入れようかリサーチしている時に、ホームページを見つけ知っていました。
その時は試合がないことと、平日練習に小学生の息子を一人で名東区まで通わすことが難しいと思い、見学をすることもなくクラブチームに入ることとしました。
しかし、クラブチームはどうしても保護者の負担が付き物で、仕事が多忙時期でも休むことはなかなか出来ず、また下の子の面倒を見なくてはいけないので、息子を継続してクラブチームに通わすことが困難な状況に陥ってしまいました。
それでも野球を続けたいと言っている息子にどうやって野球を続けさせてやろうかと悩んでいた時、以前見つけたこちらのホームページのことを思い出し、一度連絡を取って体験してみることにしました。
ホームページの連絡先にメールしたところ、コーチは快く体験することを了承してくれました。
体験に行ったのは11月下旬の平日でした。
その時期はいわゆる野球のオフシーズンで冬のトレーニングを行う季節です。
グランド側の都合でナイター設備が使えず、わざわざ発電機を持ち込みライトを点灯させ、少ない明かりの中でティーバッティングや手でボールを転がしてのゴロ捕球練習等、一見して地味な基礎練習を繰り返す子どもたちと一人のコーチの姿がグランドにありました。
その中に私と息子が知る人は一人もおらず、二人で恐る恐るグランドの中に入ってコーチに挨拶したところ、コーチは笑顔で迎え入れてくれ、近くにいた中学生の子に「おーい〇〇、体験に来たから一緒にやってあげて。」と声を掛けてくれました。
息子はその中学生の子に優しく引っ張られ、直ぐに練習の輪に入っていきました。
その日はグループに分かれ、走り込み、ティーバッティング、手ゴロ捕球の反復練習をして終了しました。
その光景を見た時、「ホームページに記載されているとおり、本当に基礎練習を徹底しているんだなぁ。試合はせずにいつもこうやって練習を繰り返すのかな?」と思ったことを覚えています。
練習後、コーチから「小中学生に大事なのは基礎です。徹底して基礎を反復して繰り返しています。息子さんもまだグローブの出し方からして基礎の動きになっていないように思います。一緒に練習ができたら基礎からしっかり教えます。」等と、小中学生は試合よりも基礎をしっかり学ぶことが大切であるといった説明を受けました。
確かに、当時の息子の野球は、所属するクラブチームが様々な大会にエントリーをしており、練習よりも試合がメインだったので、「このまま試合ばかりしていて上手になるものかなぁ?」と疑問に思うことが多々ありました。
それでも、その一日の体験で入会をする決断には至りませんでした。
息子の入会を決断したのは、週末の昼間に行われた全体練習でのノックを見た時です。
体験で見た、暗いグランドで地味な手ゴロ捕球の反復練習をしていた子たちが、まるで高校野球の試合前のシートノックをしているような守備をしていたのです。
その光景を目にした時、「毎日コツコツとグランドで基礎練習を繰り返していたら、こんなに上手になるんだ。」と衝撃を受けたのと同時に、ここで野球をやらせてあげたいと思いました。
息子も小学生ながらにその光景に刺激を受け、「クラブチームじゃなく、ここで野球がやりたい。」と言ったので入会を決意しました。
早速、コーチに「夫婦共働きでどうしても仕事に多忙の時期があり、また下の子の面倒を見ないといけないので、お手伝い等出来ない日が出てきてしまうのですが・・・」等と言ったところ、コーチは「えっ、親の負担は送迎だけで十分です。また家庭の都合や塾等で来れない時は休んでもらっても構いませんよ。」等と、何をそんなに気にしているんですかと言わんばかりに笑顔で言ってくれました。
クラブチームはチームで動くため、休むことは基本NG、親の手伝いも出来る範囲で結構とは言いつつも、他の保護者との関係でどうしても下の子を犠牲にしながら手伝わなければいけないこともあったので、その言葉で一気に救われたような気持ちになりました。
息子は先輩の姿を見て、塾以外の平日も練習に通い上手になりたいと言うようになりました。
幸いにも、近所の中学生の子がこちらに通っていたので、息子はその子たちの支えもあり、一緒に電車とバスを使い、平日も大好きな野球の練習に参加出来るようになりました。
まだまだ技術的には足りない部分があると思いますが、こうして息子がほぼ毎日嬉しそうに野球が出来ていることに感謝しかありません。
正直、こちらに入る前は「試合をしなくて高校で通用する選手になるのか。大丈夫なのか。」等と不安に思うこともありました。
しかしOBの子たちの中には、野球で高校に進学して活躍し、大学でも野球を続けられている姿を見聞きします。
また、高校のスカウトの方や、中には監督自らが連日のようにこちらの練習に足を運んで見てくださっている姿を見ると、私の心配は不要であったことが分かりました。
息子がこの先どんな進路を歩むかは分かりませんが、間違いなく言えることは、名古屋O&Kでの野球を通し、野球の技術も人間性も、大きく成長出来ていると思います。