野球界の人口減少がネットニュースなどの記事になる時代だが、なぜそうなるか、そうならないためにどうしたらいいか…を野球界の人間がどこまで考えているかが大切のように思う。
野球教室やレクリエーションとして野球体験は行われているが、実際にチームなどに入って続けていく事は少ないという。
以前も綴ってきたが、親の負担や縛りの多い野球界の古い体質など、飛び込むには勇気がいる世界になっている。
ただ、私はそれ以上に大きな原因があると思う。
それは、指導者や選手達の受け入れる・迎え入れる態度や言動。右も左も何も知らない、野球の事も全く知らない選手を温かく迎え入れるという受け入れる側の教育ができていない場合が多い。
未経験だが、ただただ野球をやってみたくて、野球が好きで入ってきた子を1から優しく教える気持ちが指導者にあるか…。
やはり勝ちたい気持ち、チームのまとまりを1番に考えてしまうと、集団行動や組織での動きを分からない初心者の子は弾き出されてしまう。
チームでの活動を分かっていて、ある程度年数をやってきた選手達にはできて当たり前の事でも、初めての子にとって何がなんだか分からない。説明に時間がかかり、スムーズに物事が進まない状況ができたり、練習が止まったりもする。そうなると、指導者も子供達もイライラしたり、怒ったり、指導者は指導をせず、子供達は避けたり悪口陰口が始まったりもする。
その中で、何も知らない子が野球を続けていく事は辛い。
やはり、間口が狭く、閉鎖的な世界になってしまい、新しく野球にチャレンジしようという子供達が減ってしまうのは仕方ない。
小学3年生ぐらいまでは、まだ許された世界で丁寧に教えてくれる場所もあるが、小学4年以上で学年が上がれば上がるほど、初心者が入りにくい世界になる。
実際、私も中学から野球を始めたが、分からない事だらけ、できない事だらけ、なのによく叱られたり先輩に注意された記憶がある。心では「分かるわけねーだろ!」と思いながらイヤになっていた。
私は、野球がそんな世界であってはいけないと思う。
何才から始めても良いと思うし、指導者や選手達など受け入れる側の人間が、優しさとどんな子でも大切にする気持ちがあれば態度は変わると思う。
指導者が初めての子を大事にしなければ選手達も大事にしない。みんなが自分の思い通りに動けない初心者に腹を立てたら怒り以外は絶対生まれない。
指導者も選手達も自己中心的ではいけない。
自分の意見や気持ちばかりを重視しても、人にはなかなか伝わらない。
相手の気持ちを大切に、よく来たね…という温かい気持ちを持って、組織のルールや常識を一つずつ教えていけば、野球から離れる子供達も少しずつ減ってくるのかもしれない。
組織のレベルが下がる、チーム力が上がらない、そんな事は大事だと思っていない。
野球を始めようとする子供達の気持ちや、野球を始める子供の親の心得を先に問われてしまうが、問題は受け入れる側の気持ちと姿勢にある。
自己中心的な人間を生み出さないように、人の気持ち、人の傷みが分かる人間に成長するように、野球を始めようとする子供達を大切にする事も教育として伝えていきたい。