私は、現役の頃から、体が万全な状態の時はなかった。
数え出したらキリがないほど、ケガだらけだった。
足の肉離れや股関節の故障のような小さなケガもあれば、肩、肘、腰、膝、足首、指などの骨折から靭帯損傷、靭帯断裂まで大ケガもたくさんした。顔面骨折や歯が欠けたり、打球を受けてケガをしてしまった事もある。
一番酷かったのは、左肩の脱臼骨折で、手術〜リハビリまで、回復に大きく時間がかかってしまった。
スポーツにはケガは付き物とよく言われる。
確かにそうだと思う。
スポーツをしてる人としてない人では、ケガのリスクは全く違う。
野球もぶつかり合う激しいスポーツではないが、肩や肘をはじめ、全身を使うため、ケガの多いスポーツだと思う。
私の現役時代は、なかなかケガで休む勇気もなく、我慢したり、テーピングで固めてプレーを続けていた。
最高のパフォーマンスはできないが、それでも少しでもアピールしようと必死になっていた。
今は指導者になり、ケガの辛さや大変さもよーく分かっているので、我慢させたり無理はさせたくない。
ケガをすると、みんなと同じ練習ができない場面もあり、とても辛い。
ただ、そこは考え方しだいで、ケガの時しかできない練習やトレーニングもある。
復活に向けてどうしたらいいか、同じケガをなるべく繰り返さないためにはどうしたらいいか も考えなくてはいけない。
ケガをした人の気持ちも勉強になり、ケガをした時こそ気持ちを強く、辛抱強く、我慢強く、自分のメンタルも成長させなくてはいけない。
ケガから何を学ぶか、ケガから早く復帰するために、自分自身も考え、強くならなくてはいけない。
決してケガはマイナスではない。
私がケガだらけだったのも実力がない証拠。
辛いと思う時もあったが、知識やトレーニング、人の気持ちやメンタルコントロールなどケガから学んだ事もたくさんあった。
今思うと、ケガというのも、私には必要な事だったと思う。