私は厳しい指導は好きではない。
怒る叱る支配する、選手たちが指導者の顔色を伺ってプレーするような組織にはしたくない。
ただ、選手たち自身が、自分で考え自主練習をしたり、自分たちでピリピリテキパキした空気感を作る事は大切なので、選手に考えさせるための厳しさは必要だと思っている。
決して怒鳴ったり力で押さえつけたりはしない。
野球を楽しくやらせてあげたいと思っている。
しかし、楽しいには二つの楽しいがある。
楽しければ、ミスも礼儀作法も態度も甘くて良いというのは私の思う楽しい野球ではない。
苦しいメニューも含め、自分自身で考え努力しながら、できなかった事が少しずつ少しずつできるようになっていくように、技術と内面的成長の進歩に楽しさを感じれるよう、子供たちには考え方を伝えていきたい。
昔は、怒られ怒鳴られの根性野球を耐え抜いて、時に手や足が飛んできても歯を食いしばって我慢していくと、土壇場の苦しい場面で強くなるとよく言われた。
その時は、それが当たり前の時代だったから仕方ないと思うが、指導者になった私はその指導方法ではないと思った。
やはり、野球が好き、土壇場の場面でも強くいるために必要なのは厳しさより練習量だと思う。
苦しい場面、ピンチを打開するためには、指導者の指示より、まず選手たちがどうすべきかを考えれる習慣がなくてはいけない。
想像力やコミュニケーション能力、発言力や実行力を養うために必要な事は、選手たちを縛らない事、できない事を許し・受け入れ・できるように導いていく事だと思う。そこに怒る叱る支配する、スパルタ野球は必要ない。
指導者を始めて13年、当時からこの考え方は変わらない。
ちょっと前までは、甘い甘いと良く言われた。
それでも、考え方や指導方法は変えなかった。
ここ数年、根性論より選手の自主性や発言を尊重する時代に変わってきた。私も良い事だと思う。
名古屋O&Kベースボールクラブは、これからも、立ち上げた当時の考え方は変えず、苦しい練習もみんなで乗り越え、厳しさの中にある楽しさで成長できるように、優しく温かく見守っていこうと思っている。