私は、道場生にもOBにも厳しく言う事は好きではない。必要な時に厳しく指導する事は大事だと思う。
ただ、あくまでも本当に必要な時だけでいい。
特に野球界には多い気がするが、選手を心から応援しているのか、
応援しているつもりでも結果的に責めているのかわからない人がよくいる。
応援するという事は、プレーを見て拍手を送ったり 褒めたり 励ましたり
色々な形でサポートする事だと思う。どんな結果でも。
その姿も選手達の成長には大事な気がする。
勝とうが負けようが、選手個人が活躍できてもできなくても、優しく迎え入れてあげたい。
そこに「もっとこうするべきだった…」「こうしなきゃダメだ…」そんな言葉は必要ない。
選手達なりに色々考え反省もしている。それ以上厳しく言う必要はない。言うのは現場の監督だけでいい。
監督やコーチだけでなく、まわりの大人からも厳しく言われ続けている選手はどうなるか…
精神力を鍛えていると思っているのはその大人だけで、追い込まれながらやっている選手は、
人の目を気にして野球をやったり、人が見ている時だけ一生懸命やったり、
環境が変わった時に反動で手を抜くようになったり、逃げ道を探すようになる。
純粋さ素直さも少しずつ失っていく。それでは野球自体も好きではなくなってしまう。
相談事があれば、側で一緒に考えてあげたい。悩んでいたら全力で支えてあげたい。
選手達にはそんな大人が1番必要だと思う。
道場のOBも、今 高校野球で頑張っている選手達がたくさんいる。強豪校で頑張っている選手、
何とか自分達の力で強くしようと頑張っている選手、みんなそれぞれ悩み苦しみながら戦っている。
15〜17歳ぐらいの子供達が、期待に応えようと一生懸命やっているだけで充分。
レベルが高い高校野球、簡単には打てない、簡単には勝てない、そこが本当に理解できていれば、
厳しい言葉なんて出てくるはずがない。
自分が言われて不快に感じるような事は、子供達にも言うべきではない。
人の気持ちは子供であっても大事にすべきだと思う。
高校野球の試合を球場に観に行くと、応援の仕方は自由だが、野次を飛ばしたり、
評論家のように選手批判ばかりを口にしている人がいる。
まだまだこれから未来がある大事な選手達、大人の感情や厳しい言葉で選手のメンタルを潰してはいけない。
温かく見守って「応援」してあげる事が必要だと思う。