指示されてから、厳しく言われてからでないとやらない選手に育てたくはない。
私は熱い指導、熱血指導について考えている。
昔から熱血監督・熱血コーチと言われる人はいる。常に声を出し、叱ったり怒鳴ったりも含めて、細かく指示を出す指導は昔から存在する。
熱い指導は父兄にとってもわかりやすく、いかにも選手のことを思っているように見える。
ただ、叱る事や失敗を責める事、細かく言い過ぎたり、指示しすぎる指導は選手を萎縮・恐縮させて、逆に選手の考える力や思考力を養う事ができないと思う。
私も指導者として熱くいたい、指導に夢中でいたいと思うが、いつも指導方法について考えている。
ほとんどの人は、怒ったり叱ったりする=厳しい と考えると思う。ただ、それは愛情であり熱血とも感じる人もいる。私も選手の時はそう思っていた。
でも、選手自身がどうなっているかが大事。
ほとんどの選手は、自分で考え行動できなかったり、大人の顔色を見ていたり、失敗を恐れ萎縮している。
本当の厳しさは、選手たちが自ら考え意識改革をし、指導者は口を挟みすぎず、見守る事だと思う。自分自身で考え、技術の向上や内面的成長をしていかなくては生きていけない世界だからだ。
怒ったり叱ったり、指示を多くする事は、私は逆効果だと感じる。
自分自身と向き合い、自分で考える事ができなければ常に指示を待ち、言われた事だけをやる選手や大人の顔色ばかりを見てやる選手になってしまう。過度に口を挟みすぎる指導は、自立と成長を止めてしまう気がする。
言わなくてはいけない事もあるが、なるべく厳しい口調や厳しい表情にならないようにしたい。
失敗やできないプレーに対して、また選手が自分からチャレンジできるような言葉やコミュニケーションを考えたい。
考える力・創造力・自分を知る力を引き出す指導はこれからも追求していく。
私やもっと前の世代の人は、スポーツ界において、叱り飛ばしたり暴力もあった時代。
しかし、そこを美談にしてはいけない。
その過去を疑い、厳しさ、熱血指導の本質を探し求め日々勉強すべきだと思う。
選手の成長のためなら、やれる事は何でもしたい。グランド以外でもサポートをしたい。
私は、粘り強く辛抱強く、選手たちの成長のために環境を確保し、毎日コツコツ練習ができるようにメニューを考えている。
モチベーションを高める向き合い方をし、楽しさと練習の苦しさの融合を考えながら、手を尽くし、信じて温かく見守り続けていく。