子供の野球人口の減少がよくネットニュースになる。つい最近も見かけた。
そこを何とか食い止めようと新しい取り組みをしているチームが時々ネットで紹介されている。
ただ、現実はまだまだ野球界は古い体質のまま、新しい試みをする活動は叩かれたり批判されたりする傾向もある。
小・中学生の野球に関しても、やはりしきたりや指導者の言動や行動、父兄の負担や内部の関係性、チームのルールなど疑問に感じる事はとても多い。
野球とはそう言うもの、それも含めて子供の野球だと思っている、親からもそんな意見をよく耳にする。
正しいか正しくないかはその人しだいなので、決まりがあるわけではない。
ただ、私はそんな子供の野球界をおかしいと思っている。
OBや役員、上層部が変に力を持ち過ぎて、現場や父兄に介入してきたり、指導者たちの権力が勘違いを起こし、小学生や中学生に対し、未だになくならない罵声や体罰、そして進学問題まで色々深い問題はある。
父兄の拘束時間やチーム内のルール、土日グランドに親がいるかいないか、それによる子供の試合への出場に対する妬み僻み、悪口陰口、そんな異様な世界ならば、やはり野球離れが進むのも仕方ない。
おかしいとは思っていても、そこから抜ける勇気がなく、支配の中にいる親子も果てしなくいる。
小学生から中学生になると、親子で大変さも倍増する。
何が正しいかも分からなくなり、とりあえずここにいれば安全なのかもしれない…と自分に言い聞かせて、不安の中で子供の野球に縛られている人もいる。
野球と言うのは、我慢し、耐えて生き残っていくもの。そんな厳しい中でやっていかないと、高校で通用しないと言う人もいる。
絶対にそれはない。
練習メニューの厳しさや苦しさは仕方ないと思う。高校で少しずつ結果を出していかなくちゃいけないという大変さもある。
でも、それは小・中学生時代の理不尽とも言える経験があったから乗り越えてるわけではない。根性や厳しさを勘違いしている人もたくさんいる。怒る・叱る・支配から養われる事が根性ではない。
野球が好きである事、楽しむ事も必要である事、大人が介入しすぎない世界である事、進学問題を含め指導者の考え方は明確に選手・父兄に伝えていく事、まだまだあるが、私はこれらを大事にしながら選手たちを育て、苦しい練習も乗り越えれるようサポートをし、高校からその先の場面でも戦い抜く強い気持ちも養っていきたい。
力で抑えつけたり、支配して言う事を聞かすのではなく、自分自身と向き合い、考える力を育てなくてはいけない時代が来ている。
子供は何より野球を好きでい続ける事、親には子供の頑張る姿を安心して温かく見守れる平和な環境がある事が大切だと思う。厳しさで抑えつけられる子供たち、洗脳や監視に近いコントロールで支配される親たち、そこからは脱皮しなくてはいけない。高校野球を終えるまでに親子で疲れ切っている人も多い。小・中学生でそんな厳しい世界にいても、のびのび野球をやっていても、生き残っていく時に必要な事は個の技量であったり、考える力なので、理不尽な厳しさの中でやって来た事が役立つ時は少ない。
世の中は、これからはどんどん考える時代、自主性の時代、個性や創造力を必要とする時代が進む。
高校野球もその先も、そんな考え方に移行しつつある。
昔は良かった、昔は厳しかったから根性があった…そんな事を言う人もいるが、私は流されるつもりもないし、正しいとは思わない。私が子供の頃だって、考える力や自主性は必要な事だったと思う。
昔を美談に語る意見は、現代・そしてその先の未来を考えていない証拠。昔と今、変わってきているようで、やり方・考え方が変わらない野球界。
これからの野球、進むべき道を考えなくてはいけない。そんな時が来ていると思う。