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直面する難しさ

先日、ある高校の監督さんとゆっくりお話しをする機会があった。
その監督さんの高校は、いわゆる強豪と言われる学校だ。
長い付き合いにはなるが、やはり指導について話す内容は昔から少しずつ変わり始めている。

現代の指導の大変さは、学年は変われど共通している。
昔は、勝つチーム強いチームにするため、チームを鼓舞し引っ張っていくため、指導者は熱く厳しく激しく、叱り飛ばし、時には手が飛んだりしていた。
常にピリピリした空気がグランドにはあり、指導者には話しかけづらく、比較的怖い存在として見られながら指導する人がほとんどだった。

私は昔から言い続けているが、根本的にそのような指導者、そのグランドでの空気感は良いとは思わない。

ただその逆で、勝ちにこだわらなくて良い、上手くなる事より楽しむ事、指導者は優しくフレンドリーに、その形をメインにすると、育成という観点から考えるとなかなか成長させていくのが難しい。

なるべく怒らず叱らず、選手たちが萎縮しないように、指導者の顔色を見ながらピリピリしないように、良い顔して元気にプレーして欲しい。
そして、そこに技術も内面的にも成長していけるメニューや向き合い方を考えていく事がベストだとは思う。

しかしそこには、根気よく意識改革に取り組む事がポイントになる。
昔は指導者が主導で引っ張っていったが、今は選手たちが主導で自分自身に厳しくやっていかなくてはいけない時代。そのサポートをするのが指導者…という感覚。

怒られない叱られない、その事が分かっていながらプレーをしていくと、場面によりやってはいけないミスの重大性や歪んだ態度や姿勢にも気づけなくなる時が多い。
時にワガママになったり、自分自身のコントロールができなくなり、自分で自分の首を絞める事にもなる。

指導の現場というのは本当に難しい時代に入っている。
指導者も、今の世の中の風潮や人を勉強しなくてはいけない。選手たちも自主性を求められているからこそ、自分で自分に厳しくできるぐらいでないと、色々な面で成長できない。
そして最も重要になるのが親のスタンスや子供の野球への考え方だ。
親の言動行動一つで、子供の野球も変わり、指導者もやりやすいかやりにくいかが決まる。

やはり、指導者・選手・親、全て「人」「人柄」だと思う。

高校の監督さんもそうだが、我々指導者は本当に難しい時代に直面している。

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